ハイ、にっしーです。先週、商工会議所の集まりで久しぶりに会った建設業の先輩に声をかけられたんですよ。「にっしー、うちもそろそろAIやらないといかんなーと思ってるんだけど、どこから手つければいい?」って。
聞いてたら、「でも3年後にどうなってるか分からんし、今入れたツールが無駄になりそうで」って話になって。正直、その感覚、すごくよく分かるんですよね。
ただ、僕がウチ(ONEsta)でここ2〜3年でやってきたことを振り返ると、「どのツールを入れるか」より「組織がAIと付き合えるようになるか」の方がずっと大事だなって思うんですよ。ツールは変わるんだけど、組織の使いこなし方は資産として残るので。今日はそのあたりを、3年スパンでどう考えるかの話をします。
なぜ「3年」で考えるのか
1年じゃ短くて、5年だと遠すぎる。3年がちょうどいいと感じている理由が、僕の中でいくつかあります。
まず、AIツール自体の変化のサイクルが大体1〜2年単位なんですよね。2024年に「最先端」と言われていたモデルが、2026年の今ではもう普通の無料枠で使えたりする。変化のペースが早いから、「このツールを3年使い続ける計画」を立てても、途中でツールが変わるのはほぼ確実です。
でも一方で、「うちのスタッフが普通にAIを使える状態になる」のには、体感として1〜2年かかると思ってます。最初は慣れない、怖い、使い方が分からないという人が多い。それが「気づいたら当たり前に使ってる」になるには、積み重ねの時間がいる。この変化は、ツールが入れ替わっても失われない資産になる。
3年という期間は、「ツールが2回くらい入れ替わる間に、組織の使いこなし方だけを確実に育てる」くらいのスパンだと思うんですよね。具体的に何を目指すかというと、3年後に「うちのスタッフ、AIを普通に使ってるよね」という状態を作ること。そこに向けて、3つのフェーズで考えるのが僕のやり方です。
Year 1(〜12ヶ月)個人がとにかく触るフェーズ
最初の1年でやることは、シンプルに「1人ずつが触ってみる」これだけです。
会社として何か導入するとか、社内ルールを決めるとか、そういう話は一旦後回しでいいと思ってます。まず社長が触ってみる。触ってみて「これ、会議の議事録に使えそう」とか「メールの返信の下書き、頼めるじゃん」とか、小さい気づきが出てくれば最高です。
ツールは無料枠から始めていいです。ChatGPTもAIもGeminiも、無料で使える範囲でも日常業務の文章作成くらいなら十分動く。最初から「会社でAI導入するぞ」とかけ声かけて、有料プランを一括購入するのは待ってほしいんですよね。使い方が分からない状態でお金だけかけても、ほぼ使われないまま終わる可能性が高いので。
「社長がまず触って、気に入ったスタッフに勧める」くらいの緩いやり方が、Year 1としては一番自然だと思ってます。
コストの感覚でいうと、月数千円のPlusプランを1〜2人が試すくらいからスタートする感じが多いかなと。宮古島の小さい会社なら、それで十分です。
この段階で気をつけてほしいのが、「AIに機密情報を入れちゃいけない」という話を先に共有しておくことです。顧客の個人情報とか、契約内容とか、そういうものをそのままAIのチャット欄に貼り込む人が出てくるので。それさえ抑えておけば、あとはもう自由に試してもらっていい感じがします。情報の扱いについては別の記事(顧客情報をAIに入れていいのか、判断基準)でも書いてるので参考にしてみてください。
Year 1の終わりに「何人かのスタッフが日常的にAIを使ってる」という状態になっていれば、正直それで十分です。
Year 2(13〜24ヶ月)チームで揃えて標準化するフェーズ
個人が触り始めたら、次に「チームとして揃える」段階に入ります。
ここでの課題は、使い方がバラバラになることなんですよね。Aさんは議事録にAIを使って、Bさんは翻訳にDeepLを使って、Cさんは別のサービスを使って……という状態になってくる。それ自体は悪くないんですが、チームで仕事する時に「あれ、あのメールどう書いたっけ」「この返信のトーン、うちの店らしくない」という問題が出始めます。
そこで必要になるのが「うちの会社はこのツールを使う」という標準化です。全員が同じツールを使うことで、プロンプト(AIへの指示文)を共有できるようになる。「観光客向けの返信はこのプロンプトで」「スタッフへの連絡はこのテンプレで」というストックが溜まっていく。
ツールの選び方は、正直「どれが最高か」より「どれが使い続けやすいか」で選んだ方がいいと思います。詳しくはClaude/ChatGPT/Gemini、社内標準どれにするにまとめてるんですが、コストと操作感と、スタッフが続けやすいかの3点が選定基準になると思ってます。
スタッフへの教育も、Year 2から本格的にやるのがいい気がします。「AIを使え」と言うだけじゃなく、「うちの業務でこう使うと楽になる」という具体例を見せる。スタッフのAI教育、3ヶ月計画で書いたような形で、小さく実践を積み重ねていくのがうまくいくパターンだと思ってます。
Year 2の目標は「チーム全員がAIを当たり前に使ってる」じゃなくていいんですよ。「何人かが使ってて、その人たちのプロンプトが社内に共有され始めてる」くらいでいい。ここを焦らないのがポイントかなと思ってます。
Year 3(25〜36ヶ月)自社固有の使い方で差をつけるフェーズ
3年目に入ると、「うちの会社ならではの使い方」が見えてくるはずです。
というのも、Year 1〜2で積み上げた「うちのプロンプト集」って、実は競争優位になってくるんですよね。宮古島の宿なら、地元の離島へのアクセス情報をAIに覚えさせた応答集があるとか。飲食店なら、宮古牛や島野菜を使った料理の説明文のテンプレが100本ストックされてるとか。それって、他の会社には真似できない資産になっていく。
この段階で初めて「AIを自社の仕組みに組み込む」ことを考えてもいいと思ってます。例えばAIのAPIを使って、自社の予約システムと連携させるとか。お客さんへの問い合わせ自動応答を作るとか。ただ、これはYear 3になってから考えれば十分で、Year 1から仕組み化しようとするとほぼ失敗するんですよ。
理由は単純で、「使い方が分かってない段階で仕組みを作っても、使われない仕組みができるだけ」だから。使いながら「ここが面倒くさい」「ここを自動化できると助かる」という感覚が蓄積した後に、初めて仕組みを作ると精度が上がると思ってます。
Year 3の終わりに目指す状態は、「AIが社内にある程度染み込んでいて、新しいスタッフが入ってきても自然に覚えられる環境ができてる」くらいです。「AI強い会社」って、最新ツールを持ってるより、こういう状態の方が本質だと僕は思ってます。
ROIのことが気になる人は、月数千円のAIで何時間浮くか、ROI試算も読んでみてください。3年分の積み上げで、Year 3になった時にじわじわ効いてくる数字が見えると思います。
「効果がない」と途中でやめてしまう罠
ロードマップの話をするなら、これを避けるための話も書いておきたいんですよ。
AI導入あるある話なんですが、「3ヶ月試してみたけど効果が感じられなかったからやめた」という声をたまに聞きます。気持ちは分かるんだけど、それ、Year 1の最初の3ヶ月で判断してしまってる状態で。
さっきも書いたように、組織の使いこなし方が資産として溜まっていくのは1〜2年かかるんですよ。3ヶ月で「効果がない」と感じるのは、まだ個人が触り始めた段階だから当然なんです。
ウチも最初、全員が使いこなせるようになるまで時間かかりました。「これどうやって使うの?」「なんかうまく答えてくれない」という時期が確実にある。でもそこを抜けると、「あ、こういうお願いの仕方にすれば動くんだ」という感覚が積み上がってきて、気づいたら日常的に使えてる状態になってる。
途中でやめてしまうきっかけになりやすいのが、「AIが答えを間違えた」という経験です。確かにAIは嘘をつくことがある(ハルシネーションと言います)。でも、間違えることがあるというのを知った上で「下書きを出させて人がチェックする」という使い方に変えれば、それほど問題にならないです。
3年のロードマップ、途中でやめたくなる気持ちが出てくるのは普通です。でも「続けてる人と途中でやめた人の差」が一番出るのは、Year 3に入ったあたりだと思ってます。焦らずのんびり続けるのが、結局一番効く使い方かなと思ってます。
まずは今週、1個だけ試してみてほしい
3年の話をしたけど、最初にやることは本当に小さいことです。今週の会議の議事録を、録音して文字起こしツールに貼って、要点だけAIに出させてみる。スタッフへの連絡文の下書きを、AIに頼んでみる。それだけでいい。
難しい設定も、有料契約も、社内ルール整備も、全部後回しでいいです。「使ってみた」という経験が1個あれば、それがYear 1のスタートです。
一緒にやっていきましょう。「うちの場合どこから始めればいいか分からない」という相談は、ONEstaで乗ってるので気軽に連絡してみてください。