どうも、にっしーですぜ。先週、伊良部のペンションをやってるオーナーさんと夜ご飯食べてたんですよ。「繁忙期、メール返信だけで1日終わるんよ」って言われて。読むのに15秒、返すのに3分、それが30件。計算すると1日1時間半、ピーク期なら2時間近い。「ずっとパソコンの前でカチカチしてる時間に、もっとお客さんと話したい」って言葉が刺さりました。
で、これってAIで結構楽になります。宮古島の宿のオーナーさんに何人か試してもらって、実際に運用できてるのを確認してから書いてます。
宮古島の宿に来る問い合わせ、実際どんなのが多いか
宿に来る問い合わせって、だいたいいくつかのパターンに収まることが多いと思うんですよね。
- 空室確認: 「〇月〇日から△泊、2名で空いてますか」
- 送迎の有無: 「宮古空港からの送迎はありますか」
- 部屋の指定: 「海が見える部屋を希望しているんですが」「禁煙ルームはありますか」
- キャンセル料の確認: 「何日前からキャンセル料が発生しますか」
- 周辺情報: 「近くにコンビニはありますか」「レンタカーなしでも移動できますか」
- 英語での問い合わせ: 外国人観光客からの予約・確認
1件1件は難しい質問じゃないんですよ。でも毎回ゼロから書いてると、それなりに時間がかかる。特に繁忙期に20〜30件が積み重なると、そこで半日消えることもある。
AI(Claudeなど)の役割は「下書きを作ること」だと思ってます。空室があるかどうかを判断するのは人間。料金を確定するのも人間。AIはその返信文を整えるところを手伝う。この分担だけ頭に入れておくと、使い方がぶれないです。
最初に2023年、ChatGPTで試して失敗した話
宮古島の宿向けにAIメール下書きを試したのは2023年で、当時はまだClaudeがなくてChatGPTでやってたんですよ。
伊良部のオーナーさんに頼んで、実際の問い合わせメールを数件もらって実験してみた。最初の反応は「文章が固い」でした。ちゃんと日本語は出てくるんだけど、ホテルチェーンみたいな文体で家族経営のペンションっぽさが全然出てこない。「丁寧に」とだけ頼んだのが原因で、どの宿にも合わない無機質な敬語が出てきてた。
2024年にClaudeを使い始めてから体感が変わりました。長いプロンプトを渡しても指示を忘れにくいし、「[要確認]と書いて」というルールをちゃんと守ってくれる。このあたりの真面目さが宿の返信用途に向いてると思うんですよね。
プロンプトが育つ過程、v1からv4まで
プロンプトって最初から完成形じゃなくて、試しながら育てていくものです。僕がオーナーさんと一緒にやってた過程をざっくり書くと、こんな感じでした。
v1(一般的すぎた)
最初はこれくらいしか渡してなかったんですよ。
宮古島の宿のフロント担当として返信を書いてください。丁寧な文体で。
出てくる文章はちゃんとしてるんだけど、「チェーン系ホテルっぽい」とオーナーさんに言われた。宿の個性が出てこない。
v2(宿の情報を足した)
「家族経営」「落ち着いた雰囲気」「温かみのある文体」みたいな情報を足した。文体がだいぶ自然になってきたけど、まだ「〇月〇日は空室がございます」みたいに事実を勝手に断言した返信が出てくることがあった。
v3([要確認]ルールを入れた)
「確認が必要な部分は[要確認]と書いてください」を足した時点で、ミスのリスクがぐっと下がりました。これが一番大きかったかもしれない。下書きを確認する時に「[要確認]を探す」というルーティンができて、スキャンが楽になった。
v4(トーン指定を具体化した)
「ご不明な点がございましたら〜」みたいな定型文が毎回末尾に出てくるのが気になってたオーナーさんがいて、「最後の一文は入れなくていい」「代わりにこういう言い回しが好き」みたいな細かい指定を足した。宿らしい締めの言葉も指示で変えられるんですよ。
AIに下書きさせる、具体的な手順
実際の流れを3ステップで。
ステップ1:Claudeを開いて「役割」を渡す
最初に、AIに「どんな立場で返信を書くか」を伝えます。毎回同じことを言わなくていいように、Claudeの「Projects」機能を使うと最初の設定だけで済みます。まず試すだけなら普通のチャットでも問題ないです。
v4相当の指示文はこんな感じです。
あなたは宮古島にある小さな宿のフロント担当です。
宿のスタイルは、地元の家族が営む落ち着いた雰囲気の宿です。
返信メールは、丁寧だけど堅すぎない、温かみのある文体で書いてください。
「ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください」のような定型文は最後に入れてOKです。
宿の具体的な情報(空室・料金・送迎の可否など)は[要確認]と書いてください。その部分は後から人間が書き直します。
この「[要確認]と書いてください」がポイントです。AIが事実を勝手に作ることなく、確認が必要な箇所を目立たせてくれます。
ステップ2:お客さんからのメールを整えて貼り付ける
ここで一個だけ先に言わせてください。お客さんのメールを貼る前に、氏名・電話番号・メールアドレスは「お客様」「090で始まる番号」「example@…」などにマスキングしてください。Claudeは消費者向けプラン(Free/Pro/Max)だと2025年9月以降は会話がデフォルトで学習対象になってて、業務で使うなら設定でオフにするか、個人情報は最初から伏せて渡すのが安全です。詳しい話は顧客情報をAIに入れていいのか、判断基準に置いてあるので、最初に一回読んでおくと安心。
マスキングを済ませたら、「以下のメールへの返信を書いてください」と一言添えて、お客さんのメールを貼ります。
以下のお客様からのメールへの返信を書いてください。
(お客様)からのメール:
はじめまして。8月15日から2泊、大人2名での宿泊を検討しております。
海が見える部屋を希望しているのですが、空いていますでしょうか。
また、宮古空港からの送迎は可能でしょうか?よろしくお願いします。
連絡先:090で始まる番号
このように氏名・連絡先をマスキングしておけば、AIとしては返信文を書くのに必要な情報は揃ってるので、出来上がる文章のクオリティは変わりません。
これだけで、AIが返信の下書きを出してきます。
ステップ3:下書きを確認して、事実を埋める
出てきた下書きに「[要確認]」の部分があるので、そこを実際の情報に書き直して送る。空室は人が確認する。送迎の可否も人が確認する。そのうえで文章を整えて送信。これが基本の流れです。
英語対応の場合
英語で問い合わせが来た時も同じ流れで対応できます。
以下の英語メールへの返信を、英語で書いてください。
丁寧なホテルの文体でお願いします。
事実確認が必要な部分は [Please confirm] と書いてください。
Hello, I'm planning to stay from Aug 10 to 12 with my partner.
Do you have any ocean view rooms available? Also, is there shuttle service from the airport?
Thank you.
英語の返信もClaudeは自然に書きます。「翻訳っぽい不自然さ」が少ないのが好みで、小さい宿でも英語の問い合わせに臆せず返せるようになるのはいいなと思ってます。
人がチェックするポイント
AIに任せきれない部分があります。
空室・料金の事実確認はどこまでいっても人間の仕事。AIは予約状況を知らないし、料金は季節や部屋タイプで変わります。「[要確認]」で残してあるはずですが、急いで流し読みして送るのが一番怖い。ここだけはゆっくり目で見てほしいです。
「8月の宮古島はどれくらい混みますか」みたいな質問は、AIに任せると一般論が出てきます。地元のお祭りの日程、繁忙期の道路の感覚、それは地元のオーナーさんにしかわからない。その部分は手で足す。
あと、問い合わせに「田中と申します」と書いてあるなら「田中様」に直す一手間を足した方が印象は全然違うと思うんですよ。小さい手間が積み重なると宿の個性になる。
[要確認]を入れ忘れて事故りかけた話
v1を使ってた時期に、「[要確認]と書いて」という指示を入れてなかったことがあって。AIが出した返信を見たら「ご指定の日程で空室をご用意できます」って書いてあった。実際の空室なんてAIにはわからないのに、いかにも答えが出てる感じで返信文が出てきた。あれをそのまま送っていたらと思うとひやっとします。
それ以来「事実確認が必要な部分には[要確認]と入れてください」を毎回プロンプトに足すようにしました。AIは指示通りに動くので、「勝手に事実を作るな」というルールを最初から渡しておくのが大事です。
あと、v2で「丁寧な文体で」とだけ渡してた時期に、出てくる返信が「高級ホテルか」というくらい畏まった文体になったことがある。伊良部のオーナーさんから「うちの宿のキャラじゃない」って言われて、「堅すぎない温かみのある文体で」に直したら一気に近づきました。最初のプロンプトが宿の個性をちゃんと伝えてるかどうかで、出てくる文章の雰囲気が全然変わるんですよ。
時間が浮いたあとの話
宮古島で使い始めたオーナーさんから後で聞いた話です。
「繁忙期に体が助かった」という話はまあ予想通りだったんですが、それより「お客さんと話す時間が増えた」という感想が多かった。チェックイン時に焦らなくなったとか、当日の調整の電話を落ち着いて受けられるようになったとか。メール返信って「処理」の時間で、そこに1日2時間取られると心理的にもじわじわ削れる。それが「お客さんと向き合う時間」に変わるのは、数字以上の変化を感じるんだと思います。
英語メール対応が楽になったオーナーさんが「外国のお客さんに返信するのが怖くなくなった」と言ってたのも印象的でした。英語の問い合わせを長い間放置してた宿がClaudeを使い始めてから海外からの予約が増えてきた、というケースもある。地味にでかいと思うんですよ。
まずは1件、試してみてほしい
最初はギクシャクします。「ゼロから書いた方が早くない?」と感じる日もあると思う。でも1週間くらいでルーティンになります。文章を組み立てる時間がなくなって、やることは「確認して整える」だけになるんですよね。
今日1件だけ試してみる。それで十分なスタートだと思います。まずClaude.aiを開いて、直近の問い合わせ1通を貼ってみてほしいです。無料枠で始められるから、費用の心配なしに体感できます。
宮古島でこういうのを使う人がもっと増えたら嬉しいなって思ってます。一緒にやろう。
宿向けのプロンプトをもっと具体的にカスタマイズしたいとか、「うちの場合はどうなるかな」って気になったら、ONEstaに気軽に相談してもらえると嬉しいです。お問い合わせはこちらからどうぞ。