お疲れさまです、にっしーです!
先週、宮古島の友人の居酒屋でオーナーさん数人と飲んでたんですよ。そしたら「うちのスタッフ、みんなバラバラなAI使ってて、ちょっと困ってて」って話が出て。ChatGPTを使ってる人もいれば、Geminiの人もいれば、そもそも誰も使ってない人もいる。「俺は何もルール出してないんだけど、どうすればいいかな?」って。
その場で話したことを、今日はもう少し整理して書いてみます。
「全員で好きに使って」は、なぜ回らなくなるか
3人以下の会社なら「各自で好きに使ってください」でも案外回ります。でも、5人を超えたあたりから、少しずつ摩擦が出てくる感じがしてます。
まず、教育コストが分散する。Aさんは ChatGPT の使い方を覚えて、BさんはGeminiの使い方を覚えて、どちらのノウハウも会社に蓄積されない。「Aさんに聞いたら教えてもらえたけど、Aさんが休みの日は分からない」という状態が続く。
次に、プロンプトが共有できない。「こういう指示をしたら、いい感じの返信が返ってきた」という発見って、ビジネスでめちゃくちゃ価値があるんですよね。それがツールごとにバラバラだと、蓄積されたはずの工夫が消えていく。
もう1つが、契約と情報管理の問題。AIに入力した情報がサービス側の学習に使われるかどうかのルールは、ツールによって違います。お客さんの個人情報を含む文章をどのツールに入れていいか、会社として線引きができてないと、判断が個人任せになる。これは経営判断として決めておいた方がいいやつです。
「みんなで好きに使って」は入口としては正しいと思います。まず触ってみないと始まらないので。ただ、ある程度みんなが使えるようになったら、一回「うちはこっちを標準にする」という話をしておくのが後々楽かなと思うんですよね。
ONEstaがClaudeを社内標準にした理由
ONEstaではAIをメインに据えています。これは「AIが最強だから」じゃなくて、ウチの仕事の内容と規模に一番合ってたから、という感じです。
ウチがやってる仕事って、クライアントのサイトを作ったり、SEO記事を書いたり、マーケティングの提案をまとめたりなんですよ。共通してるのは「文章を丁寧に扱う仕事が多い」こと。メールの返信、提案書、仕様書のレビュー。ミスが出にくい場面で使いたい。
AIをメインに選んだ理由は、まず長い文書をちゃんと読むこと。20ページ弱の仕様書を渡して「注意が必要な条件を整理して」と頼んだとき、AIは後半の解約条件や費用負担の範囲まで拾ってきました。他のツールだと前半重視で後半が薄い、という経験があって。そこで信頼できると思った。
あと、指示の温度感を汲むのがうまい気がしてて。「柔らかいトーンで、でも要点は外さずに」みたいな曖昧な指示って、ビジネス文書では多いんですよ。AIはそういう指示に対して、1回目の精度が高い。「そういう意味じゃなかった」という言い直しが減りました。
それから日本語が自然。お客さんに渡す文章や、SNS投稿の下書きを作るとき、翻訳っぽい硬さが出にくい。農家のお客さんが「自分で書いたみたいな文体になった」って言ってくれたことがあって、それはかなりうれしかったです。
正直、Claude Pro(月20ドル前後)を全スタッフ分入れるとある程度のコストにはなるんですが、1人が1日30分の文章作業を圧縮できたとしたら、月で10時間超が浮く計算になる。それで元は取れると思ってます。
ChatGPT が向いてる組織
ChatGPT を標準に選ぶ方がいい場合も、正直あると思ってます。
Microsoft 365 を軸にしてる会社は ChatGPT(というか Microsoft Copilot)との相性が良いです。Word・Excel・Outlook の中に AI 補助が入ってくる体験ができるので、「新しいツールを覚える」ハードルが低い。既にOfficeを使い込んでる会社なら、Copilot の導入の方がスムーズかもしれない。
「幅広くいろんなことをしたい」という会社にも ChatGPT は向いてると思います。テキスト生成だけじゃなくて、画像生成(GPT Image 2)、音声対話、リアルタイムの情報検索まで1つのツールに入ってる。「AIでどんなことができるか、まずひと通り試してみたい」という段階では、できることの幅が広い ChatGPT の方が探しやすい気がします。
あと、英語対応が多い業務も ChatGPT が向いてる場面がある。ガイド業や観光業で外国からのお客さんとのやり取りが多いなら、音声でその場で対話できる機能が実用的で、スマホアプリから英語の返答を音声で出す使い方もできます。
ChatGPT Plus(月20ドル前後)が個人の入り口で、Team 以上になるとデータがモデル学習に使われないモードが選べるので、顧客情報を扱う場面では確認しておくといい項目です。
Gemini が向いてる組織
Google Workspace(Gmail・Googleドキュメント・スプレッドシート)を普段使いしてる会社なら、Gemini の組み合わせが一番スムーズかもしれない。
今開いているGmailの返信をそのままGeminiが補助する、Googleドキュメントで資料を作りながらAIに手伝ってもらう、みたいな動きが自然にできる。「新しいツールを開く」という習慣を作らなくていいのは、特にデジタルに慣れていないスタッフが多い組織には大きいです。
宮古島で観光業をやってる会社で、予約管理も集客もGoogleのサービスを中心に回してるところなら、Gemini を標準にする選択は十分あります。Google AI Pro(月数千円前後)に入ると Gemini 3.1 Pro という上位モデルが使えるようになって、精度も上がります。
1つ補足しておくと、Gemini はGoogleのエコシステムとセットで真価が出るツールだと思ってます。単体のチャットとして使うなら、差が出にくい場合もある。「うちはGoogleで全部揃ってる」という会社には向いてる、そうじゃない会社には別のツールでもいいかも、という感じです。
標準化でやりがちな落とし穴
ここ、実際に見てきた「あ、やり過ぎたな」というパターンを書いておきます。
全員強制でテンション下がる
「来週から全員でAI使うように」って伝えたら、むしろ誰も使わなくなった、みたいな話を聞いたことがあって。使いたくない人に強制すると、「AIって面倒なやつ」という印象になりやすい。「まず使いたい人から始めて、使ってみたら良かった話を共有していく」の方が、じわじわ広がりやすいと思います。
副ツール禁止をやり過ぎる
「社内標準はAIだからGeminiは使っちゃダメ」まで決めると、適材適所を殺してしまう。画像を作る時はChatGPTの方が向いてる場面があるし、翻訳の確認にはDeepLの方が早い、みたいなことはある。「メインはAIで、用途によって他のツールも使っていい」くらいの温度感でやってる方が、長続きする気がしてます。
ルール先行で中身が育たない
「どのツールを使うか」より「何に使うか」の方が大事かなと思ってて。標準ツールを決めたとして、使い方のノウハウが会社に蓄積されてないと意味がない。「このプロンプトを使ったらうまくいった」「この業務に使ったら30分短縮できた」みたいな小さな発見を、チーム内でシェアしていく習慣の方が価値があります。
にっしー流のハイブリッド標準化
ウチがやってる運用を参考までに書くと、こんな感じです。
メインツールをAIに固定して、全員が最低限触れる状態を作る。 まず「メールの返信下書き」だけでいいので、全員が1週間試してみる期間を設ける。最初の1週間は「うまくいかなくて全然OK」前提で。
「これに使えた」という小さな発見を共有する場を作る。 Slack やグループチャットに「AI使ってみた」チャンネルを作って、うまくいった事例を書いてもらうだけ。発表や評価は一切なし。「見たい人が見る」の温度感でいい。
画像生成・翻訳・リアルタイム検索は別ツールを許容する。 AIが苦手な用途は正直に認めて、そこだけ別のツールを使っていい、というルールにしてます。縛り過ぎると、誰もAI使わなくなる。
このやり方、特に「全員に情報ツールを使わせる」という経験をするための入り口として、悪くない気がしてます。半年もすれば、スタッフから「この業務にも使えそう」みたいな提案が出てくるようになります。
経営者が最初に決めること
経営判断として先に決めておいた方がいい項目を、いくつか。
「何を入力してはいけないか」を先に決める。 顧客の個人情報・未公開の財務情報・契約書の詳細は原則入力禁止、くらいのシンプルなルールで十分です。難しく考えすぎず、「外に漏れたら困るものは入れない」でOK。詳しくは別の記事(顧客情報をAIに入れていいのか、判断基準)で書いてます。
「誰がどのプランに入るか」を決める。 使用頻度が高い人は有料プランにした方がいい。文章を毎日使う人と、月数回しか使わない人は、プランを分けるのが合理的です。全員に有料プランを入れなくていい。
「誰がプロンプトの窓口になるか」を決める。 「AIの使い方が分からない」という人の相談を誰が受けるか。担当者が1人いると、チーム全体の習熟速度が上がります。ウチの場合は最初は僕が全部受けてたんですが、今は他のメンバーが「ここはこう頼めばいいよ」って教えてくれるようになってて、それが一番楽でした。
難しい話をしてきたけど、最終的には「まず1つ決めて、試す期間を作る」だけでいいです。標準化の完成形は使いながら育てていくもので、最初からいい感じに全部決める必要はないと思ってます。「うちはClaudeにしてみよう」と決めたら、来週からスタッフと一緒に触り始めればいい。うまくいかなかったら変えればいいし、合わなかったら別のツールに切り替えてもいい。
宮古島でこういうの試す会社がもっと増えたらいいなって思ってて。一緒にやっていきましょう。
何から始めればいいか迷ったら、ウチに気軽に相談してもらえれば一緒に考えます。